現場ログ 更新 2026.09.18

Notionのマルチセレクトが並ばない? 原因は「プロパティ設計」にあった

Notionのマルチセレクトで並び替えがうまくいかない。その原因は、1つのプロパティに異なる種類の情報を入れていたことでした。セレクトとマルチセレクトの正しい使い分けを、実際の事例から記録します。

「マルチセレクトで並び替えたい」という相談

あるクライアントとのミーティングで、Notionデータベースの並び替えについて相談を受けました。

リスト管理用のデータベースで、マルチセレクトプロパティを使っている。同じカテゴリーの項目をグループ化して表示したいのに、同じタグが付いているはずの項目がバラバラに表示されてしまう。

最初に私が考えたのは、「技術的にどう解決するか」でした。数式プロパティで並び替え用の値を作るか、ビューのフィルタリングで対応するか。

しかし、話を聞いていくうちに、問題はそこではありませんでした。

【Before】1つのプロパティに、全部入っていた

データベースの中身を確認したところ、1つのマルチセレクトプロパティに、こういった情報が混在していました。

  • 担当する人の名前
  • 購入する場所
  • 調達の方法(購入済み、持参、オンラインなど)

人、場所、状態。まったく異なる種類の情報が、1つのタグ欄に同居していたのです。

これでは、並び替えがうまくいかないのは当然です。Notionのマルチセレクトは、付けた順番にタグが並びます。「調味料」でグループ化したくても、「担当者A」「オンライン」といった別種のタグが混ざっているため、意図した順序にはなりません。

マルチセレクトは「ラベルを貼る」ためのプロパティです。1つの項目に複数のタグを付けられる代わりに、選択肢の並び順で項目を整列する機能は持っていません。これはNotionの仕様であり、不具合ではありません。

【Notice】「プロパティを分ける」という発想

並び替えの問題を技術的に解こうとしていた私ですが、途中で気づきました。

そもそも、1つのプロパティに入れるべきではない情報が、まとめて入っていた。

本来、こうあるべきでした。

情報の種類適切なプロパティ理由
担当者(人の名前)セレクト1つの項目に担当者は1人。並び替え・フィルタも必要
購入場所セレクト1つの場所で購入する。場所別に並べたい
調達方法セレクト状態は1つ。グループ化して管理したい
補足ラベル(任意)マルチセレクト複数付くことがある。並び替え不要

つまり、並び替えたい情報はセレクト、ラベルとして貼りたい情報はマルチセレクト。この使い分けが、データベース設計の基本です。

セレクト:選択肢に順番がある。並び替え・グループ化に使う。1つだけ選ぶ。

マルチセレクト:順番は関係ない。ラベルとして貼る。複数選べる。

この違いを意識するだけで、「並ばない」問題の多くは解消します。

【After】プロパティを分けたら、一瞬で解決した

ミーティング中に、その場でプロパティを再設計しました。

  1. 新しいセレクトプロパティを3つ作成(担当者・購入場所・調達方法)
  2. 既存のマルチセレクトから、各プロパティにデータを移行(Notion AIを活用して一括処理)
  3. ビューを切り替えて、複数の視点で表示(担当者別・購入場所別・調達方法別)

結果、担当者で並べたければ担当者プロパティで並び替え、場所別に見たければ場所プロパティでグループ化。「並ばない」という課題が、プロパティを分けるだけで解消しました。

データの移行にはNotion AIを使いました。「このマルチセレクトの値のうち、人名を担当者プロパティに移して」と指示するだけで、数十件のデータが数分で整理されます。手作業で一つずつ直す必要はありません。

感覚でやっていたことを、言葉にする

正直に書くと、私自身はこの使い分けを「感覚」でやっていました。

日常的にNotionのデータベースを設計しているので、並び替えが必要ならセレクト、ラベルならマルチセレクトという判断を、特に意識せずにやっています。だから、マルチセレクトの並び替えで困った経験がなかった。

しかし、初めてデータベースを作る人にとっては、その感覚はありません。マルチセレクトとセレクトの違いは、公式ヘルプを読んでも「複数選べるかどうか」くらいしか書かれていません。「どういう場面でどちらを使うべきか」は、使い込んだ人の中にしかない知識です。

今回の経験で、改めて感じたことがあります。

データベースは「作り方」の段階から伴走が必要だということです。プロパティの種類をどう選ぶか、情報をどう分けるか。この最初の設計判断が、その後の「使いやすさ」をすべて決めます。

この記事のまとめ

  • マルチセレクトは「ラベル」:複数のタグを貼るためのもの。並び替えには向かない
  • セレクトは「分類」:1つ選んで、並び替え・グループ化に使う
  • 異なる種類の情報は、別のプロパティに分ける:人・場所・状態を1つに混ぜない
  • データ移行はNotion AIで効率化:手作業で直す必要はない
  • データベース設計は「最初の判断」が重要:プロパティの選び方が、使いやすさを決める

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